こんにちは。ロンドンを拠点にヨーロッパを巡りながら絵を描きつつ、平日は英系企業で働くSatomiです。
今回は、日本人の方々から質問がとても多かった、イギリス英語の発音について、ロンドンに5年以上住んでいる私なりの見解を経験談を踏まえながら皆さんにシェアさせていきたいと思います。
知っている方も多いと思いますが、イギリス英語とアメリカ英語の発音の仕方は違います。イギリスに渡ってから、英語を本格的に勉強し始めた私ですが、私はイギリス英語の洗練された発音の響きが大好きなので、イギリス英語の発音を毎日のように練習していました。
今回の記事では、なぜ英語の発音を勉強することが重要なのか、また私が綺麗な発音にこだわり続ける本当の理由を皆さんに詳しく説明していきます。
Youtubeで似た内容を語っていますので、もし動画が良い方は本ページの下に動画を貼っているので、そちらをご覧ください。動画では本記事に書いていないことももっと細かく話しているので、時間がある方にはおすすめです。
私がなぜイギリス英語の発音に強くこだわるようになったのか?その本当の理由とは
1. ホームステイのお母さんから教えてもらったこと
最初イギリスに来たときに私はイギリス人の家庭でホームステイをしました。その当時の私の英語は本当にカタコトではあったものの、家族の人にイギリスで何がしたいのかと尋ねられると、私は、
「英語を喋れるようになって仕事を見つけて、イギリスに暮らすんだ」
今思うと漠然ですが、その時は一心不乱にそう答えました。
するとそのお母さんが私にいったのは
「イギリスで仕事が欲しいなら、発音をよくしなさい。」
その一言でした。
最初は何をいっているのかいまいちわからなかったものの、頭の片隅にずっとこの言葉が残っていて、それを聞いてからというもの、英語の発音によりフォーカスするようになっていきました。
私はイギリス英語の洗練された響きが大好きでした。だから、勉強をするときは、イギリス英語を学べる教材やテレビ番組などを見て、独学で勉強していきました。
2. イギリス人の友達が教えてくれた、イギリスにおいて綺麗な発音が重要視される本当の理由
ある日、私のイギリス人の比較的裕福な家庭で育った男性の友人が、こんな話をしてくれました。
イギリスでは階級社会があり、それによって英語の発音が違うということ。
やはりイギリスでは中上流階級で生まれた人たちや、”良い”学校に通った人たちは英語の発音が、ワーキングクラスの人たちと比べて違うということ。それは、英語がまだまだだった私にもなんとなくわかりました。
そして、もし例えば会社の面接で、甲乙つけ難い候補者がいた場合、発音が選ばれる基準になり得るということ。
これを聞いて、ホームステイのお母さんが言っていた話の意味をようやく理解することができました。
イギリスでは発音の違いで、少なからず差別がある。私はその事実を聞いて衝撃を受けました。
私が思うに、この差別の対象は主にイギリス人(イギリスで生まれ育った人)であり、私のような英語を第二言語として話す者にはそこまで影響することではないように思います。
ただそこで私が感じたのは、もしそれが真実だとするならば、私がきちんとしたイギリス英語の発音を身につけることによって、イギリス人の私への目線が変わるのではないかと。
イギリスに来る前は、アジア人ということでもしかしたら差別があるのかもしれない、そんな風に思っていたこともありました。
だからこそ、イギリスにおいて今なお一つの差別の指標となっている発音を改善すれば、自分自身が差別されるかもしれない要因を一つ取り除くことができる。
もともと発音を勉強することは好きでしたが、そう言った思いから、より熱心にイギリス英語の発音、特に俗に言われるクイーンズイングリッシュやBBCイングリッシュのアクセントの習得に取り組むようになりました。
3. イギリス人が私に言ってくれた褒め言葉
イギリス英語の発音の勉強を続け2、3年が経つと、次第に自分でも発音の向上に気づける程度になってきました。
そんな中、別のイギリス人の友人と話していたときにこんなことを言われました。
「Satomiと話していると、とてもスムーズに話ができるよ」
その言葉の真意は、彼には何人か日本人の友達がいるそうなのですが、その友達の英語の発音が日本語のアクセントが強すぎて聞き取りづらいらしく、私と話す時ほど自然に会話することができないということでした。
それを聞いた時の私はようやく自分の英語学習の労力が報われてきた気がして、とても嬉しかったのを覚えています。
でも、別の立場で考えるとそうですよね。例えば、外国の人が日本語を勉強していて、その人の発音やイントネーションが正しくなかった場合、その人が何を言いたいのか自分の頭で一瞬考える時間が必要ですよね。だから日本人と話す時よりはスムーズには頭に入ってこない。
正直綺麗な英語の発音は、英語学習の目標が「海外旅行で外人と英語で喋ることができるレベル」程度であれば全く必要ないかもしれないですが、英語圏の国で生活をしようと思っていたり、英語でビジネスをしようと思っている人であれば、少し頭の中に入れておいた方がいいかもしれません。
4. ビジネスシーンにおける日本人の英語の発音
現在私は、平日は英系の企業でバリバリ仕事をしているのですが、クライアントのチームの中に日本人の方がたまに混ざっている時があります。
だから、仕事で日本人が英語を話している機会を聞くことが少なくないんですね。
その時に思い出すのが、さっきのイギリス人の友人の一言。
確かに、わかりにくいんです。日本人の英語が。たいていの場合、ネイティブの人が喋る英語は頭にすんなりはいってくるんですが、間違った発音で喋りがちな日本人の話を聞くと、いっている単語が別の単語に聞こえることがあり、途中で内容がわからなくなってきてしまうんです。
ネイティブの人たちはむしろ知っている語彙数が断然多いので、間違った発音で喋られても、文脈でなんとなくいっていることを予想できているのかもしれないけど、私の場合、知っている語彙数が少ないから、その人が言っている単語が、自分の知らない単語を言っているのか、それともその人の発音が間違っているのか、頭の中でいろんな憶測が飛び交い、そんなことを思っている間に話しがついていけなくなってしまったりします。(もうちょっと私の英語のレベルが上がれば抜け出せるかもしれないですが)
また私は、クライアントとの会議でも社内の会議でも、日本人やイギリス人だけでなく、多国籍の人たちと話すことが多いのですが、やはり、英語の発音が綺麗な人が話していると、先入観で、この人仕事ができそうだなと第一印象で思います。
私は特に英語を大人になってから勉強して、英語を使って海外で活躍する人間になりたいと思っていたからこそ、英語の正しい発音の習得を必要不可欠だとより強く思うようになっていったんだと思います。
5. その国の言語をきちんと喋るということはその文化をリスペクトするということ
これは海外に住んでいる方ならお分かりになるかと思いますが、やはり他の国に住むのであれば、その国の言語を学ぶということは必須だと思います。それは、言語はその国の文化の象徴であり、その国の人たちがこれまで大切に継承してしてきた最も重要な要素の一つであるから。
だから、イギリス人は「英語」ではなく「イギリス英語」にとてつもなく高い誇りを持っています。
英語の発祥は自国であり、アメリカやオーストラリア、カナダなど他の英語とは違い、我々の英語が最もオーセンティックであると思っている。(詳しく言えば、イングランド、スコットランド、北アイルランド、ウェールズなど、イギリスの中でも地域によってそれぞれの発音があるので、各地そこのアクセントを誇りに思っています)
そういう背景もあり、例えばイギリス人に、私はイギリス英語が大好きで、イギリス英語を頑張って習得したいと思っているんだよっという話をすると、彼らはとても嬉しそうに誇らしげにします。
英語圏に住むなら尚更、英語の発音は注力したいですね。
今までの英語学習の甲斐もあり、今ではどんな人と会っても第一声目には英語の発音のことを褒められるようになりました。
それは私にとって、ささやかな自分に対する誇りでもあります。
私は世界を巡り様々な人と話すことが多いですが、いつも日本人だと思われません。それは私の英語が、他の日本人が話す英語と全然違うからだと言います。
これを聞くたびにちょっと寂しい気持ちになったりします。私はもっとたくさんの日本人が国際人として英語を話し、世界で堂々と活躍するようになっていって欲しいと心から思うからです。少しでも今回の記事が皆さんの英語学習のモチベーションになっていたらとても嬉しいです。
私にも、まだまだ上手に発音できない単語がたくさんあります。だからこれからも一緒に頑張っていきましょう。
今回の内容のYoutube動画は下でご覧ください。私の経験の部分についてはより詳しく喋っているので、時間がある方にはおすすめです!内容が参考になったと思ったら、いいねと英語を勉強している友達にぜひシェアしてもらえたら嬉しいです。
私がどのように英語の発音を勉強したかについては、別の記事でまとめるのでもう少々お待ちください。
それでは、これから絵を描くので今日はこの辺で。またお会いしましょう。
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現在、世界で活躍する日本人アーティストを目指し、仕事後の時間をすべて絵画の制作活動に費やしています。フルタイムの仕事、サイト運営と同時進行で行っており、皆様からのサポートもいただきながら、今後、よりアート制作に専念できるようになりたいと思っています。少額でもとても嬉しいですし、とても力になります。応援の程、どうぞよろしくお願いいたします。 (サポートしていただいた方は、お礼のお返事をさせていただきたいので、ぜひメールアドレスとお名前残していってください。)
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