こんにちは。SATOMIです。
Covid-19のロックダウンで、美術館やギャラリーがすべてクローズになっていた間にいろいろ面白そうなギャラリーをリサーチして、気になっていたギャラリーの一つが『Estorick Collection Of Modern Italian Art』。
東ロンドンのイズリントンにある、20世紀のイタリア美術を専門にした小さなギャラリー。
おそらく名前を聞いたことがない人がほとんどのニッチなギャラリーなんですが、イタリアの長期滞在を考えているため、イタリア芸術の情報収集のために今回訪れてきました。
今回ギャラリーで開催されていたのが、「イタリアンテキスタイル:MITAテキスタイルデザイン 1926-1976」という企画展。
実際の展覧会の英語での概要を日本語訳を添えて説明していきます。
MITAとは?企画展の概要
1926年10月、実業家のマリオ・アルベルト・ポニスによって設立されたMITAは、「古典的な手織りラグの生産に機械的な革新を導入することを目的に」設立されたイタリアの重要なデザイン会社である(社名はManifattura Italiana Tappeti Artistici(イタリアの芸術的なラグメーカーという意)の頭文字をとったもの)。当初は、中東の伝統的な模様を用いたアイテムを制作していたが(代表的なデザインに「スミルナ」がある)、ポニスは、より現代的なスタイルのアプローチを取り入れ、多くの現代アーティストや建築家とのコラボレーションを開始した。
Founded in October 1926 by the entrepreneur Mario Alberto Ponis, MITA was an important Italian design company originally established “with the aim of introducing mechanical innovations into the production of classic hand-knotted rugs” (the company’s name was an acronym for Manifattura Italiana Tappeti Artistici, or Italian Artistic Rug Manufacturer). Following an initial phase characterized by the creation of items employing traditional Middle Eastern patterns (one of the company’s most popular designs was named Smyrna) , Ponis began to collaborate with a number of contemporary artists and architects, embracing more modern stylistic approaches.
Estorick Collection Of Modern Italian Art
MITAはすぐに、フェデーレ・アザーリやフォルトゥナート・デペーロといった未来派の代表的な人物と重要な関係を築き、フィリッポ・トンマーゾ・マリネッティやジャコモ・バッラらにも商品を販売していく。パオロ・ブッファ、トマソ・ブッツィ、エミリオ・ランチア、ジジョッティ・ザニーニといったミラノの建築家たちとのコラボレーションも戦時中に重要な意味を持っていた。また、ジオ・ポンティはジェノバ郊外のネルヴィにあったMITAの本社を頻繁に訪れ、自身の有名な雑誌「Dumus」でMITAの活動を紹介したほか、自身もデザイナーとしてMITAとコラボレーションを行っていく。1920年代~1930年代にかけては、ジェノバの建築家マリオ・ラボと彼のデザイン会社フィアーナ、ポニスが絶賛した著名な彫刻家アルトゥーロ・マルティーニとも重要な関係を築いていった。
MITA quickly established important contacts with exponents of Futurism such as Fedele Azari and Fortunato Depero, and sold its products to other key figures affiliated with the movement, most notably Filippo Tommaso Marinetti and Giacomo Balla. However, Ponis’s collaborations with a number of Milanese architects such as Paolo Buffa, Tomaso Buzzi, Emilio Lancia and Gigiotti Zanini were equally significant during the inter-war years. Gio Ponti was also a frequent visitor to the company’s headquarters in Nervi on the outskirts of Genoa, and promoted its activities through the pages of his famous magazine Domus, in addition to collaborating with MITA as a designer in his own right. Between the 1920s and 1930s other important relationships were established with the Genoese architect Mario Labo and his design company FIANA as well as with Arturo Martini, a renowned sculptor whose work was greatly admired by Ponis.
Estorick Collection Of Modern Italian Art
Ponisは第二次世界大戦以降、アーティストとのコラボレーションしながら室内装飾や家具のファブリックデザイン、展示会などにも参加していった。また新しい技術を取り入れることにも前向きだったPonisは合成繊維を取り入れた商品の開発も進めていった。
新たなコラボレーションを拡大し、製品の種類を大幅に増やしていったMITAは海軍会社のためのファブリックや壁掛けに力をいれ、イタリアの放送局RAIなど著名なクライアントのための仕事も増えていき、タペストリーデザインなどを行っていった。
展示作品と展示会の様子
美術館情報
Estorick Collection Of Modern Italian Art
公式サイト:https://www.estorickcollection.com/
Instagram:https://www.instagram.com/estorickcollection/
住所:39A Canonbury Square, London N1 2AN
展示会期間:2021年6月20日まで
気になる方は是非足を運んでみてください。
2021年5月30日